インプラントの方法
抜歯即時インプラント
抜歯即時インプラントとは、抜歯をするのと同時にインプラントを埋入する方法です。
従来は抜歯をして、2~4ヶ月間、抜歯した傷が治ってから、インプラントを埋入するのが一般的でしたが、抜歯と同時にインプラントをいれることにより、2~4カ月間の期間を短縮できます。しかし、時間が短縮できること、抜歯、インプラント埋入と2回の手術が1回ですむことだけが問題なのではなく、もっと重要で本質的な違いが生じてきます。
従来法では、粘膜を切って、その粘膜を骨から剥ぐって骨を露出してそのうえで骨を削っていましたので、腫れや痛みの原因になりやすかったということがありますが、抜いたところに、少し穴をあけてインプラントを入れますので、痛みや腫れが起きにくいとの報告があります。
もうひとつは、抜歯をしてその抜歯したところが治るのを待っていると、骨が吸収して、インプラントをいれることができなくなる、または、骨移植、GBRや、矯正治療を組み合わさなければ埋入できなくなります。
抜歯と同時にインプラントを埋入すると、骨の吸収の前なので、比較的簡単に埋入できます。これは何を意味するかというと、骨移植GBRは強烈な痛み腫れを伴いますが、それをしなくてすむといことです。また、矯正治療をしなくてすむといことは、さらなる矯正治療期間4~5カ月を、なしですまされるということです。また、骨移植GBR、矯正治療それぞれ約15万円ぐらいの費用をしなくてもすみます。
◆抜歯即時インプラントの利点
- 1回の手術ですむ。(抜歯、インプラント埋入を同時にするので)
- 治療期間がかなり短くなる
- 腫れ 痛みを飛躍的に最小限におさえることができる。
- 骨移植、GBRなど付随手術をしなくてすむ。
- 矯正治療をしなくてすむ
- トータルの費用が低くなる場合が多い
- 骨をけずる量、時間がすくない
- 審美治療が容易にできやすい
- インプラントと骨の接触率が通常のもより高くなる
◆ 欠点
- ごく一部の歯科医しか、このテクニックができない(できる歯科医が限られている)
- 抜歯即時インプラントができるのは抜歯を必要とするケースの80パーセントぐらいである。(残りの20パーセントは従来法でしかできない)
インプラントの種類とその特徴
インプラントの種類
- POIインプラント 日本製
- カルシテックインプラント アメリカ製ながら日本人にあったインプラント
- ブローネマルクインプラント オール オン フォーで使用される もっとも歴史があるインプラント
- リプレース all- on -4で使用される
- プラトン 日本製 日本人むけ
- スイスプラス 1回法のインプラント
- カムログ ドイツ製 最近ユーザーが増えている
- IMZ 最近はあまり聞かない 一時期よく使用されたらしい
- ストローマン ヨーロッパで多く使用されている 信用のブランド
- スクリューベント 人工歯をつくりやすい
- ライフコア
- エンドポア
- 3ⅰ 北陸では金沢でよく使用されているらしい
- オガインプラント 主に福井で使用されている
- バイオホライゾンズ
- AQBインプラント 日本製 1回法
- フリアリット2 ドイツ製 10年前によく使用されたらしい。
- ザイブ
- アンキロス
- IATインプラント
- アストラ 名古屋にユーザーが多いらしい
- バイコン 短いインプラント
どのインプラントを使用するかは、患者さんが直接きめることは、ないとおもいますが、インプラント自体の特性以外に将来、倒産しないインプラント会社のものを使用しないと部品の供給がなくなるとたいへんなことになります。
インプラント1回法か2回法
■1回法
インプラント手術を1回だけですませてします方法です。インプラントの根っこの部分を最初から口の中に出してしまう方法です。骨と完全にくっつく前に舌でおさえられたり食べ物が当たったりして、骨との接着を邪魔したり、歯ぐきとインプラントの境目から感染の危険があります。
2次手術を必要としません。
■2回法
インプラントを完全に骨の内に埋めてしまい、インプラントが骨と接着し、骨と一体化した後に粘膜を破る2次手術をして口の中に出る部分をつなげる方法です。一次手術で完全に骨の中に埋めますので舌の力や食べもののかたまりで倒されたりはしません。手堅い方法ですが、骨とインプラントが接着したあと2次手術を必要とします。
1日で噛めるインプラント
インプラントを入れた日から噛んだりすることができるインプラント(即日インプラント)です。従来のインプラントでは骨の中にインプラントを埋入してから3~6ヶ月待って、それから型をとって最終的な人工歯をセットするというのが普通でした。
しかし、最近の研究により、インプラントを入れたその日にそのインプラントに即時人工歯をセットして、その日のうちに食べたりすることが可能になりました。
また、従来のインプラント治療では埋入した後2週間(インプラント手術のキズが治る間)は取り外しの今まで使用していた入れ歯を入れることができません。
インプラントと歯ぐきの粘膜の下にあるインプラントが干渉して、インプラントを動かす力が加わり、インプラントが接着しないのを防ぐためです。
つまり、インプラントを入れた直後のまるまる2週間は、入れ歯なし、歯なしの状態でいなければなりません。
しかし、即日インプラントを使用すると、インプラントを入れたその日のうちに、固定式で、取り外ししたりしなくてすむ即時人工歯がはいりますので、口の中に歯がない、つまり歯がない時期がなくなります。社会生活の中で、まるまる2週間もまるっきり歯を入れずに生活することは、大変むずかしく苦労を伴うものですが、このインプラントを使用すると、その苦労がなくなります。
即日インプラント治療の1日の流れ
9:15~9:30 9:30~12:00 12:00~14:00 14:00~16:00 16:00~17:00 17:00~18:00 |
歯のクリーニング インプラント埋入の手術 休憩・技工室での調整 治療室での人工歯の調整 休憩 人工歯のセット |
終了 |
※ 典型的な即日インプラント治療の流れです。骨が柔らかい、骨密度が低い、骨の厚みが薄い場合は、この即日インプラントの適応症ではありません。
安全・確実な診断と治療をおこなうために・・・
インプラント用CTスキャン導入しました
<インプラント用CTの特徴>
従来のレントゲン写真だけでは、平面的な骨の高さしか分からなかったが、CT装置により、3次元的骨の厚さ幅もわかるようになり、より安全で確実なインプラント治療ができるようになる。
従来法では、だめになった歯を抜いてからインプラントをいれるのに2~4ヶ月間、骨が回復するのに時間が必要であったが、CTにより3次元的な歯、骨の位地がインプラント手術の前に正確に把握できるため歯を抜くのと同時にインプラントを埋入できる可能性が格段にあがる。
歯、骨の位置が正確にわかるので、従来の、粘膜を切って、剥がして骨の位置をたしかめたうえでインプラントを埋入する必要がなく、そのまま、インプラントをいれる位置をCT上でピンポイント埋入の計画をたてインプラント手術ができる可能性が高くなる。したがって、最小限のからだへのダメージ(侵襲)でできるため、腫れたり、痛みを最小限におさえることができる。
歯科用CTは医科用CTとくらべると、被爆線量が、文字どおり、ケタ違いで少ない。当歯科医院のCTは、その歯科用CTの中でも私の知る限り被ばく線量が一番小さい。
CTをとることが必要な場合でも、わざわざ、大きな病院に行き医科用CTをとりにいく必要がない。