以前はインプラントが骨とくっつくまで(しっかりかめるほどインプラントと骨がくっつくまで)、下顎3カ月、上顎4カ月かかり、それを目安にして次の段階にすすんでいました。インプラントと骨がくっついたかどうかは、客観的に知る方法はなかったので、歯科医がインプラントを軽くたたいてみて、すきとおった音がしたら、インプラントが骨とくっついているというのが目安でした。

しかし、最近では、こういう術者、歯科医の経験にたよる方法ではなく、インプラントに微振動をあたえて、その共鳴により、客観的に数値をだし、インプラントが骨と接着(インテグレーション)したかどうか判断できるようになりました。この機械はペリオテストやオステルという機械です。
ペリオテストでは+02以下であれば完全のインテグレーションと確認でき、型をとっていくことができます。+05以下であれば大丈夫だという研究者もいますが、安全をとれば+02以下のほうが確実ではあります。

インプラントの種類でインテグレーションのスピードに違い

使用しているインプラントの種類でインテグレーションのスピードには、かなりのちがいがあります。

私がメインに使用しているインプラントでは、通常の埋入手術であれば、上顎、下顎とも8週間でインテグレーションします。通常の抜歯即時インプラントでは8週間、状態が悪く、歯のまわりの骨が著しく欠損した抜歯即時インプラントでは10週間でインテグレーションします。

また、ソケットリフトといわれる方法では4カ月かかります。
サイナスリフトといわれる方法では6カ月かかります。
以前とくらべれば、かなり早くインプラント治療をおこなえるようになりました。インテグレーションが早いといわれているインプラントはカルシテックインプラントやストローマンインプラントです。

また、イギリスのサッカー選手ベッカムが骨折した時に話題になった医療機械と同種の治療機械を使うとインプラントと骨のインテグレーションが早まり、さらに治療期間を短縮することができます。

ただ、現在のところ、ペリオテストやオステルなどの機械を使わずに、さきほど述べた大体の期間と、インプラントを軽くたたいてみての勘に頼った方法で、インプラントが骨とインテグレーションしているかどうか判断している歯科医院が大多数のようです。

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