今回は歯周病の治療方法の中でも特殊な治療方法である、歯周レーザー治療について考えてみます。

先月の『歯周病治療と健康保険』のコーナーで、歯周治療はレーザー治療や特殊な薬を用いた治療を除いて、全て保険適応内となりますと書きましたが、その保険適用外のレーザー治療というのは、ここ数年、一部の先生方の間で急速に普及してきました。

いつものようにGoogleで「歯周病 レーザー治療」と検索してみると、148000件のヒットです。「歯周病 治療」では154万件、「歯周病 薬」が358万件、「歯周病 外科治療」でも297000件ありますので、まだまだ特殊な治療方法のようですね。

まずGoogleの検索結果のトップに出てくる「日本臨床医療レーザー協会/歯周病のレーザー治療」をクリックしてみます。

そうすると。たしかに色々な情報が掲載してあるのですが、意外にも、協会の所在地の住所とか、代表者などの氏名が見当たらず、少し心配になりました。そこでもう少し調べていくと、最新の治療方法らしいのですが、案外と役立つ情報が少なく、ようやく見つけたのが、朝日新聞系のasahi.com: コラム「健康相談どうしました」の記事でした。
http://www.asahi.com/health/soudan/jhealth/TKY200707280327.html

「レーザー治療のメリットとデメリットを教えてほしい」という、2007/08/20付けの、ちょっと古い記事ですが、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の渡辺久准教授(2007年現在、以下同)が、「最大のメリットは照射した部分が殺菌・消毒されるので治りが早いこと」という回答をされています。

その回答の中で、渡辺先生は「レーザーを歯科の治療に応用するメリットは従来、機械的作用で行っていた処置を光作用で行うことにあります」と説明しています。

「機械的作用を光作用で」、何だそれは??と思われた方々が大半ですよね。

それもそのはず、このasahi.com「健康相談どうしました」の渡辺准教授の記事を詳細に読んでいくと、レーザー治療の歯科における一般的なメリットは詳しく書いてありますが、歯周病治療については、あまり詳しく書いてありませんでした。
簡潔にまとめられた600文字位の解説ですが、そのうちレーザー治療の有用性を述べられているのは50文字程度でした。

全体の文脈からは「レーザー照射の付加価値、照射した部分の殺菌・消毒により病気の治りが早くなる」と肯定的ですが、やはりまだ一部の先生方が取り組まれている発展途上の治療方法のようですね。